『新訳 星の王子さま』を読んで

こんにちは

 

ここ最近、再び本を読みはじめました。

今日は、私が読んだ1冊についてご紹介したいと思います。

 

その本は、『星の王子さま』です。

 

書籍名:新訳 星の王子さま

著者:アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ

訳者:芹生一(せりうはじめ)

出版年月:2018年4月

出版社:阿部出版株式会社

 

あらすじ

砂漠に不時着した操縦士である「わたし」は「小さな王子」に出会う。小惑星に住んでいた王子は星に咲く美しいバラと仲たがいをし旅に出かけ、六つの小惑星を巡り六人の大人に出会い、つぎに地球に来てバラをみたりヘビやキツネと話したりするうちに、星に残してきたバラに対する自分の本当の気持ちに気づく。エンジンの修理をしながら王子の話を聞く「わたし」はその後、王子のしようとしていることに気づくのだったが……。

 

おそらくこの物語は、多くの人がすでに読んだり、目にしたことがあるかと思います。

私はこの本は、実家に置いてあるにも関わらずこれまでまともに読んだことがありませんでした。

リヨンに住んでいた身としては、著書がリヨン出身であり、かつ名作中の名作ということであればぜひとも読みたい本です。

 

著者について

この本を書いたサン=テグジュペリは、作家および飛行士です。

彼の名前は、リヨン空港(リヨン・サン=デグジュペリ国際空港)にも使われています。

以下は略歴です。

  • 1900年:フランス・リヨンに生まれる
  • 1921年:航空隊に入隊
  • 1926年:除隊後、操縦士として航空郵便輸送会社に勤務。小説家デビュー
  • 1939年:第二次世界大戦に召集され、飛行教官を務める
  • 1940年:フランスが敗北し、アメリカへ亡命する
  • 1943年:偵察飛行隊に着任する、『星の王子さま』発刊
  • 1944年:フランス内陸部の写真偵察のため、単機で出撃。地中海上空で行方不明となり44歳の生涯を閉じる

 

星の王子さま』は、1943年に初めてアメリカで発刊されました。

この本は、著者自身が参加した第二次世界大戦の真っただ中に書かれた本です。

 

読んだ感想

「いちばん大事なものは、目には見えない」

これはこの本を代表する名言で、私もとても好きです。

 

この本は、

・飛行機が砂漠に不時着したこと

・「わたし」が小惑星に住んでいた「小さな王子」に出会うこと

をきっかけとして物語が進みます。

 

私は割と、世界観を広げてくれる宇宙をテーマにしたSF映画(アド・アストラ、ファースト・マン、インテ―ステラ―、2001年宇宙の旅など)が好きなのですが、この物語もその1つです。

著書自身の飛行士としての体験、また第二次世界大戦への参加の中で感じた

「客観的な視点から見た世界」、

「戦争の恐ろしさ」、

「平和を願う心」、

「祖国フランスへの想いや愛」

などが物語の中に盛り込まれていると感じます。

 

自身の体験を踏まえて書かれているからこそ、より強い説得力を持って「本当に大切なものは何なのか?」について考えさせてくれるとても良い本です。

 

おわりに

星の王子さま』は、200以上の国と地域で翻訳されており、日本でも様々な訳者による日本語訳で出版されています。

私が読んだ『新訳 星の王子さま』は、日本語に翻訳する上での解釈の仕方などが訳注や訳者あとがきに詳しく書かれており、わかりやすいです。

また、朗読に適したリズム感のある文体で、子どもから大人まで楽しめると思います。

サン=テグジュペリが自ら描いた挿絵が素朴でとても素敵です。

 

本書は、読むその時々で受け止め方や感じ方が変わってくると思うので、読み続けたいと思える一冊です。