こんにちは
今日は、1年弱フランスに住んで私が感じた、
「フランスで生活するための3つの心構え」について
お話したいと思います。
~はじめに~
全くと言っていいほど文化が異なるフランスと日本。
「そんなものなのね」とあらかじめ頭に入れておけば、少しは気が楽になるのではないかと思います。
これからフランスへ行く人に少しでも参考になれば嬉しいです。
① 挨拶はしっかりと
フランスでは挨拶がとても重要です。
挨拶をしない=教養がない、と思われてしまいます。
人と会うときは、必ず「ボンジュール(こんにちは)」から始まります。
以前、私は電車でスイスのジュネーブへ行きました。
その時、ホームがわからず駅員さんに尋ねたことがありました。
私:「すみません。この電車に乗りたいのですが・・・」
駅員さん:「(一瞬沈黙)こんにちは。ホームは・・・」
私:「(あわてて)こんにちは!すみません。ありがとうございます」
駅員さん:「どういたしまして」
つい日本人の感覚で挨拶を抜かし、「すみません」から入ってしまいます。
でもこれ、フランスではアウトです。
どんな時でも人と会うときの第一声は「ボンジュール」です。
加えて、
「メルシー(ありがとう)」、
「オ ルヴォワール(さようなら)」、
「ボンジョルネー(よい1日を)」
の4つは日常でよく使います。
正直、挨拶さえしておけば何とかなるというのが私の印象です。
そのくらい挨拶は重要です。
② 日本と同等のサービスを期待しない
日本では、「お客様は神様」なんて言う言葉がよく使われます。
フランスではそんなことはありません。お客さんと店員さんは対等と言えると思います。
むしろ、「店員さんに働いてもらっている」という感じでしょうか。
お店に入れば、お客さんも店員さんに対して必ず「ボンジュール」と挨拶します。
日本では、店員さんに対して「こんにちは」とは言いません。
これは少し寂しく感じます。
そして、基本的に24時間営業のお店はなく、スーパーなど日曜日はお休みです。
週末は稼ぎ時、と考える日本とは正反対です。
「多少の不便を楽しむ」というスタンスを持っておくと良いと思います。
③ 理想を高く持ちすぎない
皆さんご存知かと思いますが、パリ症候群という言葉があります。
パリ症候群とは、
「流行の発信地」などといったイメージに憧れてパリで暮らし始めた外国人が、現地の習慣や文化などにうまく適応できずに精神的なバランスを崩し、鬱病に近い症状を訴える状態を指す精神医学用語。
憧れを抱いてパリに住む日本人を襲う適応障害の一種。
というものです。
確かに、ディオール(Dior)のCMなんか見ていると、
・バラの花束を投げつけるナタリー・ポートマン
・背景に映るエッフェル塔
・橋の上から海へのダイブ
・ピンクのオープンカーで「love」と綴る
と、もうそれはセンスの良さ以外の何物でもありません。
化粧品メーカーのマーケティング戦略に、思わず「ブラボー」と言いたくなってしまいます。
エッフェル塔さえ映してしまえば私たちは憧れを抱いてしまうものなのでしょうか。
おそるべし、エッフェル塔。
しかし、実際はどうなのでしょうか?
憧れの「花の都」のイメージとは裏腹に、
・ネズミの大量発生(ゴミ収集作業員のストライキ→街中のゴミが回収されず)
・度重なるストライキ、デモ
・悪臭
・移民問題
といったキーワードが出てくるのも事実です。
もちろん、パリは素晴らしい街です。私の大好きな街です。
パリ、フランスに憧れを抱いてモチベーションにつなげることはとても良いことです(私もその一人です)。
ただ言いたいのは、理想を高く持ちすぎると現実とのギャップが大きくなるということです。
~おわりに~
以上、私が思うフランスで生活するための3つの心構えについてお話しました。
哲学者スピノザの言葉に、こんなものがあります。
Ne pas se moquer, ne pas déplorer, ne pas détester mais comprendre.
(嘲笑したり、嘆いたり、憎んだりするのではなく、理解するのです。)
これは、フランスをよく表していると思います。
一個人の考えとして、「なるほどね~」と思っていただけると嬉しいです。