ものすごい映画愛「キネマの神様」

 

書籍レビュー

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ー書籍概要ー

書籍名:キネマの神様

著者:原田マハ

出版年月:2008年12月

出版社:㈱文藝春秋

 

ものすごい映画愛にあふれた本。

 

一時期(2年前)映画館にハマり、1年で15回くらい足を運んだ(私にとっては多い)。

ボヘミアン・ラプソディ3回、

アリー/スター誕生3回(うち1回はトロントで)、
ファースト・マン

運び屋、

アベンジャーズ

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

アド・アストラ

・・・

 

大画面での臨場感、大音響での迫力、独特な空間

これらは映画館ならではである。

 

この世に映画がある限り、人々は映画館へ出かけていくだろう。家族と、友人と、恋人と・・・・

ひとり涙したいときには、ひとりぼっちで。

 

今はコロナ禍ということもあり、映画といえばもっぱらNETFLIXだが、この本を読むと映画館にまた行きたくなる。

今だからこそなのか、映画は映画館で観ることの意義を感じる。

 

主人公は子を持つ父親のゴウ。

稼ぎを費やすのは、「ギャンブル」と「映画」。

自分の好きなことをし、挙句の果てに借金まみれになり家族を困らせる。

 

ある日、失業したゴウの娘(歩)に新たな仕事話が舞い込む。

映画雑誌会社のライターである。

それは、ゴウがブログに書いた映画の評論が目に留まったため。

 

 

70年以上映画を観続け、いわば人生を捧げているとなると、評論文がすごい。

もはや、「ギャンブル依存症」はどこかに飛んで行ってしまう。

 

もう一つ感じたのは、「映画は人と人をつなげる」ということ。

当然だがそれは日本だけでない。

ゴウがブログで評論をしていく中で出会った伝説の映画評論家、リチャード・キャバネル。

ともに戦争を経験し、「敵同士」ともいえる二人が議論できるようになったのは、「映画」という共通の趣味があったから。

改めて、映画のチカラはすごいなと感じた。

 

来月(2021年8月6日)、本作品の映画が公開される。

ゴウを演じる予定だった志村けんが見られないのは残念だが、 ぜひ足を運びたい。