「伝え方が9割」を読んで思ったこと

読んだ本のレビュー

「伝え方が9割」

 

ー書籍概要ー

著者:佐々木圭一

出版年月:2013年2月(第1刷)/2020年11月(第38刷)

出版社:ダイヤモンド社

 

YouTubeをきっかけにこの本を知り、評判がよさそう&面白そうだったので手に取ってみた。

 

何かを伝えるのが上手い人って確かにいるけれど、それはスキルというよりも、どちらかといえば感性に近いものなのかな?と思っていた。

例えば、言葉に抑揚をつける、ジェスチャーを入れる、端的に話す、などなど。

でもこれらは全体的な構成の部分。本書はそうではなく、言葉そのものを指す。

 

考えてみれば、常日頃、プライベートでもビジネスでも、相手にお願いをするシーンはたくさんある。いわく「ビジネスパーソンは平均して1日に22回お願いごとをしている」のだそう。

 

これまで人から教えてもらうことのなかった「伝え方」。

本書は伝え方次第でNoからYesに変える方法」強いコトバの作り方」を伝授している。

 

著者は広告会社出身のコピーライター、佐々木圭一さん。

コピーライター、もともと伝えるのが上手かったのでは?と感じるが、どうやらそうではなかった。

元々伝えるのは大の苦手で、コピーライターに配属されたのも偶然。相当な苦労をしていたようで、アイディアはすべてボツ。当時ついたあだ名は「最もエコではないコピーライター」。

そんな佐々木さんが苦労した経験の中で発見し、身につけた技術を本書では学ぶことができる。

 

コピーライターの書く「伝え方」の本だけあってとても読みやすい。また何度も読める。

いろいろな技術がある中で特に面白いなと思ったのは、強いコトバ*を作るための「ギャップ法」というもの。

*=心を動かすエネルギーのあるコトバ

 

事実、世の中に存在して目にすることのできる情報量は、10年で530倍になった。

情報があふれている中で、普通のコトバは無視される。

だからこそ、メール、ブログ、企画書などなど、コトバ磨きが必要なのである。

 

このギャップ法、オバマ氏や村上春樹氏も使っているという。

例えば、

ひとりの人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な一歩だ」

-ニール・アームストロング アポロ11号船長-

 

「事件は会議室で起きているんじゃない! 現場で起きているんだ!!」

-『踊る大捜査線』 青島俊作-

 

これは私の勝利ではない。あなたの勝利だ。」

-オバマ前大統領 就任演説-

 

このように、あえて伝えたいことの反対のコトバを加えることにより強いギャップを生み出している

 

方法は以下のとおり。

① 最も伝えたいコトバを決める

② 伝えたいコトバの正反対のワードを考え、前半に入れる

③ 前半と後半がつながるよう、自由にコトバを埋める

 

簡単である。

 

語り継がれている名言や歌詞など、人を感動させるコトバにはきちんと法則があるということは新たな発見だった。

歌を聞いたり何かを読んだりするときに「グッ」と来たコトバに何か法則があるかな?なんて考えてみるのは面白いかもしれない。

 

プライベートでもビジネスでも、「上手く伝えられればいいな」というのを運に任せるのではなく、技術がある!ということを知ることができたのは良かった。

すぐに実践できる内容になっているため、できるところから活用してみようと思う。