映画「すずめの戸締まり」を観ました。
コロナ禍になって映画はもっぱらNETFLIXで観るようになっていたので、映画館はとっても久しぶりでした。
最後にいつ行ったのかは覚えていないくらいです。
いざ映画館で映画を観ると、大画面、臨場感、迫力・・・やっぱりいいですね!
今住んでいる場所からは自転車で10分くらいで行けることに気づいたので、また映画館通いになるかもしれません。
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物語の主な登場人物は、主人公の「すずめ」、そして閉じ師の「草太」。
すずめは九州で叔母と暮らす高校生。ある日学校へ向かう途中、青年、草太と出会う。
「扉を探している」という。
彼は、後ろ戸と呼ばれる扉の鍵を閉めるため、日本中を旅している閉じ師。
扉を閉めなければ、よくないことが起きてしまうのだ。
タイトルにもあるように、この物語のキーとなるのは「扉」。
この扉には、過去・現在・未来、すべての時間がある。
そしてもう一つは、東日本で起きた大震災。
あの地震が起きる朝までは、「いってきます」「いってらっしゃい」「気をつけていってらっしゃい」などの言葉が日常にあふれていた。
しかし、そんな日常が一変する。
すずめもその一人。4才のときに母親を亡くし、それから「おかえり」や「ただいま」が言えなかったのだ。
草太とともに戸締まりの旅をする中で、たくさんの人に出会い、さまざまなことが起こる。そして、そんな中で過去や未来の自分に出会う。
「好きな人のところに、行ってきます」
これまでの様々な感情から解放され、母親と同じように看護師になるという夢に向かって成長していく姿、そして好きな人を想い前に進んでいく姿に心ときめく。
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アニメーション映画ならではの素敵な世界観。
映像の綺麗さはもちろんですが、「過去・現在・未来」という非日常的な話のストーリが興味深く、一瞬たりとも目が離せませんでした。
印象を受けたのは、反対語のような言葉がちらほら出てくること。
生と死、常世と現世、不安と安心、おかえりといってらっしゃいなど。
また小説も読んだのですが、
・悲しいのに心地よい
・知らない場所なのに馴染みがある
・居てはいけない場所なのに、いつまでも居たい
といった文章にも惹かれるものがありました。
3.11から12年。風化させてはいけないという監督の想いを感じるとともに、すずめのように、辛いことを乗り越えて前を向いて頑張っている姿に勇気づけられます。