ロックダウン中のパリの住民を描く「ヒューマニティ通り8番地」

映画レビュー

「ヒューマニティ通り8番地」

 

パンデミックでロックダウンされたパリ

アパルトマンで暮らす住民の新しい生活様式を描いたコメディ映画

 

物語のはじまりは、毎日夜8時に起こる人々の拍手喝采

マクロン大統領がテレビ演説で国民に向けて繰り返し語った「Nous sommes en guerre.(私たちは戦争状態にある)」の言葉。

 

思えば私がパリに到着したのは2020年2月末、リヨンで生活をはじめたのは3月1日。

当初滞在する予定だったレジデンスがアジア人の受け入れを拒否し、その2週間後にロックダウン。

はじめてマスクを着けて外に出る時はとても勇気が要ったし、スーパーは主食が品薄となり、先が見えずとても不安でした。

 

部屋ではYouTubeマクロンさんの演説を見ていたし(よく理解できてなかったけど)、夜8時には外から拍手喝采を聞いていました。

それが医療従事者に向けたものであることもその後分かりました。

 

この映画を観ていて「あれからもう2年か~」と、忘れかけていた日常の一部を思い出し、なんだかとても懐かしい気持ちになりました。

 

映画に出てくる住民は異常なくらいコロナウイルスに過剰になり、人に会うときや外に出る時はシュノーケリング用マスクのようなものをかぶる始末。

何をするにしてもアルコールスプレーや体温計は欠かせない。

 

これはさすがにやりすぎだけれど、1日に数万人の感染者が出ていたフランスだし、大都市ともなればわからなくもない。

 

まだコロナが終わっていないこともありスッキリ感はあまりないが、アパルトマンの住民が一体となってパンデミックを乗り越えようとする前向きな姿勢には感動し、心が温まった。

 

 

ロックダウンを題材にした物語を見てフランス生活を思い出すというのは何とも複雑な心境ですが、この映画を観て改めて非日常的な体験をしたんだなぁと実感しました。

 


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