意識を向けるきっかけに、「スマホ脳」を読んで

こんにちは

 

読んだ本のレビューです。

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スマホ

とてもシンプルですが、同時に「ハッ」と思わせるタイトルです。

世界的なベストセラーということで、気になったので読んでみました。

 

ー概要ー

著者:アンデシュ・ハンセン

訳者:久山葉子

出版年月:2020年11月

出版社:新潮新書

 

内容

平均で一日四時間、若者の二割は七時間も使うスマホ。だがスティーブ・ジョブズを筆頭に、IT業界のトップはわが子にデジタル・デバイスを与えないという。なぜか? 睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存――最新研究が明らかにするのはスマホの便利さに溺れているうちにあなたの脳が確実に蝕まれていく現実だ。

 

感想

スマホ、もっと言えばスクリーンに対する意識を向けるきっかけとなる本である。

 

家で過ごすことが増えている今、常にスマホが傍らにある人は多いと思う(私も含めて)。

映画を見る、本を読むなど、何か1つのことに集中しようと思っても、ついスマホに手を伸ばしてしまう。 

何気なく、無意識に見ているスクリーン。 

その時々では大したことのないように思えるが、日々の積み重ねが後々大きな影響を及ぼしかねない。

 

著者は、スウェーデン生まれの精神科医である。

 

本書は彼が患者を診るうえで気づいたこと、

実際に行った研究や実験の結果をもとに明らかになってきたこと、

祖先と現代人の比較、

などを元に、スマホがヒトにどんな影響を及ぼしているのかを説いている。

「心の不調」、「脳に及ぼす影響」、「睡眠の質」、「集中力の低下」、「子どもへの影響(学校教育)」などである。

 

成功の裏に抱く開発者たちの苦悩についても触れている。

フェイスブックの「いいね」機能を開発したローゼンスタイン。

彼は自分のフェイスブックの利用時間を制限し、スマホの使用にブレーキをかけるために制限アプリをインストールしている。

 

iPodiPhoneの開発に携わったアップル社幹部のトニー・ファデル。

彼は「自分たちは一体何を創ってしまったのか」と、冷や汗をびっしょりかいて目を覚ます。

 

アップル社の創業者スティーブ・ジョブズ

彼の10代の子どもは、iPadの使用時間を厳しく制限されていた。

これはビル・ゲイツ然りである。

テクノロジーに精通している人ほど、スマホを制限したほうが良いと考えている。

 

私はフランスにいる時、(人生で初めて)スマホを失くした。

海外ということもあるが、もう「パニック」以外の何の言葉もなかった。

とてもありがたいことにスマホは手元に戻ってきたが、日常でどれだけ不可欠な存在であるかを思い知らされた。

 

日本、海外に限らず新しいお店にたどり着くことができるし、

家族や友人と無料でビデオ通話ができるし(これは本当にすごい)、

アプリで学習することができるし、

そういう意味ではスマホ様様である。

 

だからこそ、特にSNSとの向き合い方には意識を向けるに越したことはないと感じた。

スマホの恩恵を十分に得たいものである。

 

ひとまずできる対策は、

  • 自分のスクリーンタイムを把握する
  • 使うことが多いアプリの利用制限を設ける
  • SNSは極力パソコンから見る

 といった点である。

 

とはいえ次第に「まぁいっか」となりそうな気もするので、その時は本書を改めて読みたいと思う。