こんにちは
先日テレビを見ていた時のこと。
フランスのマクロン大統領が、人気YouTuberへ挑戦状を出したという話題がありました。
そのYouTuberとは、「McFly et Carlito(マックフライ&カルリト)」というフランス人の二人組です。
彼らは、
- YouTubeのチャンネル登録者数は645万人
- 動画の視聴回数は2,000万回越えも多々ある
という人気さが伺えます。
そんな二人組にマクロン大統領が送った挑戦状とは、
「コロナ感染拡大防止策として、ジェストゥ・バリエールの重要性を説く動画を作ってほしい」というもの。
ジェストゥ・バリエールとは、感染対策をしっかり行うということです。
さらに、「視聴回数が1,000万回を超えたら、エリゼ宮*での撮影を許可する」というのです。
*パリ市内にある宮殿であり、現在のフランス共和国大統領官邸
その動画がこちら
そして、彼らがその挑戦状を引き受けて作った動画がこちら
« Je me souviens » (clip gestes barrières) という曲に仕上がっています。
日本語訳は下に記しました。
この動画は2021年2月20日に公開され、
すでに視聴回数は1,465万回(2021年3月28日時点)となっています。
エリゼ宮での撮影は許可されるということですね。
正直、とっても面白いです。
ただ単にジェストゥ・バリエールをしよう!と説くのではなく、
息苦しいからマスクを外したとか、
アルコールジェルはベトベトするからつけたくないとか、
外出禁止時刻をちょっとすぎちゃったとか、
たぶん多くの人が経験していることです。
それに対して、「ごめんマニュ、カステックスさん。ちゃんと感染対策するよ」と説明しているのです。
~日本語訳~
車の中でマスクを外した、息ができなかったから
ベタベタするとわかっているハイドロアルコールジェルは使わない(ベトベトしすぎる)
くしゃみをするときに手で口を覆った、肘は遠かったから
エレベーターに人が沢山いたけど[定員3名の貼り紙]、それでも乗った(2階へ行くために)
約束するよ、マニュ[マクロン大統領の愛称]......気をつけるよ
子供たちのために、そしてフランスのために
もうこのマスクには耐えられない
我慢の限界を超えてしまったようだ
私の罰金をなくしてくれたり、甥のマクサンスに保育園を紹介してくれたりしたらね
ごめん、ちょっと調子に乗った
あの世界を思い出す
バリエール[柵、障壁]といえば、牛や羊の牧場だけだった
昨日のような気持ちを取り戻すためには
ジェストゥ・バリエールをしなきゃ
アペロの誘いに乗った
でも外出禁止時刻の前に帰宅した、本当はうそ(19時12分)
長い間部屋の換気をしていない
ごめん、カステックスさん[首相の名前]
おばあちゃんに会いに行く前に検査をしなかった
心配しないで、彼女は生きてる
でも、マニュさんには約束する、気をつけるよ
子供たちのために、そしてフランスのために
もうこのマスクには耐えられない
我慢の限界を超えてしまったようだ
免許証の点数を追加してくれる?
自分のためじゃなく、友人のために
唾を吐く、ごめん、Covidじゃないよ
私は、唯一のバリエールがあった世界を覚えている
それは牛(または七面鳥)の牧場だけだった
昨日のような気持ちを取り戻したいなら
ジェストゥ・バリエールをしなきゃ
ジェストゥ・バリエール
手を洗う、キスや握手をしない
友人や家族と一緒に車に乗っているときもマスクを着用する
ジェストゥ・バリエール
私たちがいる部屋を定期的に換気する
集まらないこと、リスクを取らないこと
大勢で集まらない
ジェストゥ・バリエール
※黒字はマクロン大統領のビデオメッセージ
「ふざけてるように見えてるけど大丈夫?」と思ってしまいますが、深刻な状況でもこうしてユーモアさを忘れないところは何ともフランス人らしいなと思います。
またこの動画のオチは、歌を終えた2人が警察官に「マスクをしていない」と135€の罰金を課させるというもの。思わず笑ってしまいます。
もし興味があったら見てみてください。